野菜などの食材は「洗う」というのに、お米だけなぜ「研ぐ」といわれるのでしょうか。お米は、その外側が何種類かの茶褐色の皮で覆われています。これを取り除くために行うのが精米で、精米した米は白くなります。昔は、この精米技術が今ほど発達していなかったため、米の表面に多くの糠が残っていました。そこでお米を炊く前に水につけ、手のひらでお米を揉むようにこすり合わせることで、表面に残った糠を取り除くことが必要だったのです。刃物を研ぐように、まさにお米を磨き上げていたのですね。
今のお米は、昔ほど糠が残っていないため、以前のように力を込めて研ぐ必要はなく、すすぐように洗うだけで充分といわれています。力を入れるとお米の表面がかえって傷ついたり、割れたりする原因となるからです。
お米を洗う時はザルに入れ、最初は表面の糠やほこりを流すためにたっぷりの水で手早くかき回し、すぐに水を捨てます。次に、3~5回くらい手の平でかき混ぜる程度で洗い流し、水がきれいになったら水切りをします。